日刊ベリタ2018.07.18記事の転載です
主要メデイアの偏りと人々の思い込み
現在の世界を動かしているものは、大国の権力者とその背後にいてメデイアを動かしている人々、そしてそれに洗脳されてしまっている人々の動きである。そのいくつかの顕著な例を簡単に議論する。
(1)数日前のBark at Illusion氏の「合衆国政府に合意の順守を求める朝鮮政府を貶めるマスメデイア」(*)、これは、米朝会談の実現を阻止しようとする米国内の動きに対応したものであり、この朝鮮半島の非核化問題の根本には米国の絶えざる脅威があったことに起因することの理解がない。そのために、金正恩氏とトランプ氏の達成したことを信じようとしない。金氏の裏工作を示唆し、非核化を推進するより、核保存にいくような雰囲気作りに箔をつけるようなとんでもない方向に導いていることを自覚していない。東アジアの平和を祈願するならば、まずその根本にあるアメリカの脅威をなくそうとした(おそらく、トランプ氏はそう考えていた)方向を推進するような報道をするべきであろう。
(2)あの米朝会談の1ヶ月後、今度は、米ロ会談が実現した。これに対する米国内の報道は、まったく狂っているとしか言いようがない。それは、2016年の大統領選挙にロシアがトランプに有利になるように介入したというウソを、アメリカ全体の機関(CIA、FBIその他)や報道機関が、アメリカ体制派(ネオコン)に支配されていて、確たる証拠もないまま、ウソを追求している。それに支配されているリベラル派まで、ロシアがあの選挙に介入しなかったということをトランプが承認したとして、国家反逆罪だといった指摘を、例のリベラルの代表者(マイケル・ムアー)まで言っている。ウソを続ければ、ウソがホントウになってしまうというナチスの言ったことが現実化している。そして、トランプが、ロシアとの関係改善を意図することまで、犯罪扱いになっている。ロシアをなんとか、やっつけたいという、従って、ロシアをなんとか悪者にしたいという体制側の意図が、多くの米国民に浸透してしまっているようである。
さて、これらの現象の基礎にあるのが、先頃から言っている(**)トランプ氏の、ネオコンにとらわれていない態度の現れなのでしょう。しかし、トランプ氏は、米ロ会談直前には、NATOで、加盟国からの軍事費の増額を訴えていて、ロシアとの緊張緩和とは矛盾することには、考えが及んでいない。しかも自国を擁護するためとして、単純に輸入税の増額など、このあたり、不動産業で財を成したビジネスマン意識が横溢している。
(*) http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201807151458070