2021年3.11日は、コロナ禍のパンデミックがWHOによって宣言されてちょうど1年、東日本大震災、それに伴って発生した福島原発事故から10年の節目の年になります。そして半年後の9.11日は、アメリカ本土(ニューヨーク、ワシントン)でのいわゆる同時多発テロ事件から20年目、そして今より半世紀ほど前の1973年9.11日は、チリでの選挙で選出された大統領アイエンデ をピノチェット率いる軍事クーデターで倒すという事件。これは、実は、これによって政権を獲得した側が、アメリカの後押しで、経済の「新自由主義」的施策を始めたという画期的事件で、経済の「新自由主義」の実現(理論はもっと前から)発祥点と考えられている。
こう見てくると3.11、9.11は、ともに人類文明の転換期日を象徴しているようである。まず1973年の9.11、チリで始まったとされる経済の「新自由主義」政策が、その後,欧米諸国から始まって、日本,韓国、オーストラリアなどなどの国の経済を支配してしまった。政治的には共産主義である中国も、社会主義の崩壊したロシアでも、経済的には、「新自由主義」的な方式を取っている。それは、経済成長、利潤を最優先としている意味で。ただ、南米のいくつかの国(キューバ、ベネズエラ、エクアドルなど)では、社会主義政党ががんばってはいる。
1991年にソ連圏が崩壊し、冷戦が終了し、軍備拡大(軍需産業という巨大企業の利益源)が不必要になったアメリカで、都合よく、2001年の9.11テロ事件が発生し、アメリカは、対テロという終局の見えない目的のための軍需拡大を可能にし、軍需産業はますます強大になってきた。そして、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアと戦闘を拡大し、軍需産業を富ませてきた。
10年前の3.11福島原発事故は、チェルノブイリ事故(1986年)についで、最悪レベルの事故とされている。現状は、しかし、チェルノブイリをはるかに超えた過酷な事故であった。なにしろ、爆発を含めて事故を起こした原子炉は、4基(チェルノブイリは1基)。メルトダウンした核燃料は3基のもの。そのメルトダウンしたものの周辺は放射線量が高すぎて、人間は近づけない(おそらく即死)。これをどう処理するか、いまだに解決策は見出されていない。その上、新自由主義の典型的政策で、被ばくによる病死の隠蔽、その危険性の否定、そして避難者の生活の経済支援などの軽視、原発企業側にとって好都合な施策のみ。この過程では、行政ばかりでなく、司法機関も政府・企業に寄り添い、報道機関もそれに準じている。あらゆる意味で、一般市民を無視している。
さて、最近の 3.11日。国連保健機構WHOは先年(2019年)発生した新型コロナ(SARS-CoVD-2)による肺炎などを伴う感染症(Covid-19)が拡散し始めた2020年3月11日に「パンデミック」を宣言した。本当に世界中に拡散するかどうか不明瞭な時点で。
2009年の6.11日に、実は似た様なWHOによるパンデミック宣言が出されたことがある。この時の感染症はスワインフルー(豚フルー)であるが、通常のフルーと大して差がなかった。しかし、パンデミックとされたため、ワクチン注射が多くの国で義務付けられたし、恐怖でパニックに陥った人々は争ってワクチン注射を受けた。このパンデミック宣言の背後には、WHOを支える大製薬会社、ワクチン製造業者などがあり、そうした側からの影響で、パンデミック宣言が出されたらしい。この間の事情については、当時日刊ベリタに報告した(注1)。
これとほとんど同様なパンデミックと称される現象が現在のCovid-19である。PCR検査による陽性反応を問題のSARS-CoV-2ウイルスに感染したとする方法による感染者数は、2020年末の時点で各国で急増している。(PCR検査陽性=感染とすることの問題点はこの欄でなんどか指摘してきた(注2)。といっても、ほとんど感染者数が消滅した国もある。そして、パンデミックが宣言されてから、わずか8ヶ月足らずの間に、ワクチンが完成,認知され、多くの人に行き渡るレベルの量が生産されるようになり、いくつかの国では接種がはじめられた。これは、ワクチンの製造の歴史からみて、非常に異例である。この現象の全てが、パンデミックーワクチン接種(おそらく義務づけも)ー大企業(製薬業、ワクチン製造)の利益へと繋がっている。実は、それ以上のより根本的な、社会構造変革の意志が、この現象の底に横たわっているようだが、それは別な機会に。
感染者,死亡者の数の増加は、日夜、24時間体制で、人々に告げられている。こうした報道は、人々を恐怖に陥れている。しかし、報道されない事実との対比などを検討すると、実はそれほど恐れる必要のないものなのかもしれないのである。
というのは、どこの国でも、日々、人々はなんらかの原因で死んでいっているのである。日本の例を見てみよう。2014年のデータ(注3)であるが、人口10万あたりの死亡率:全死亡率=997.40(/100,000(すなわち約100人に1人、1%)である。ウイルス肝炎では4.2(/100,000),その他の感染症および寄生虫症で4.0(/100,000)であった。全てのガンによる死亡率は、295.1(/100,000)(全死亡者の29.1%)。なお、インフルエンザのみの死亡率は2018年に2.8 (/100,000)、2019年に3.0 (/100,000)であった。 さて、2020年の12月30日までの新型コロナによる死者は、発表数に基づいて、2.6(/100,000)である。こうした数値を較べてみると、Covid-19による死亡が突出して多いなどと言えるであろうか。報道機関がこうした数値も、現在の感染者・死亡者数の発表と同時に、人々に伝えていれば、そんなに恐怖を与えることはないのではなかろうか。おそらく、世界的権威とされるWHOによる「パンデミック」という宣言が、報道機関にこうした時間毎の報道を促しているのであろう。こうしたことは、福島原発事故の報道にも見られるように、報道機関がすでに新自由主義勢力の支配下に入ってしまって、視野が狭くなっていることを意味するのであろう。
その上,以前から指摘していることだが、Covid-19感染者が増大するなか,通常のインフルエンザは、ほとんど消滅している(平年の98%減)という現象。これが本当なのか。どちらも主要な症状は呼吸器系統、インフルエンザ感染をCOVID-19感染と混同している可能性は本当にないのであろうか。全てとはいかないまでも、かなりの部分が。
もう一つ、指摘しておきたいことは、今回のコロナによる死者の多くは60歳以上の高齢者でしかも持病持ちであり、真の死因が、コロナウイルスによる直接的な死なのか、コロナ感染により持病が悪化したための死なのか、それぞれのケースで充分に検討された上での死者数なのか不明であり、おそらく、真の意味の死者数は、公式発表数よりかなり少ないのではないかと、様々な場面で指摘されている。本日 (2021年1月3日)アメリカ大統領トランプがツイッターで、こうした懸念を表明し、CDCの発表数などはフェイクだと指摘した(注4)。
ただし、こうした筆者の議論は、COVID-19の危険性を否定しているわけではなく、このコロナウイルス感染症の特殊性—肺炎のみならず身体の様々な部分、特に脳への影響が、しかもかなり長期にわたって継続するなどーの深刻さなどを軽視しているわけでない。
さて、こうして見てきた3.11、9.11という画期的事件だが、すべて人災である。福島事故は、確かに地震・津波という自然現象に付随したが、東電の安全対策の軽視による人災の面がつよい。コロナ禍は、自然現象ではあろうが、パンデミック宣言は人災として現在の人類に影響を及ぼしている。人類(といってもそのうちの少数だが)は、多数の存続・幸福を主眼とはせず、自分達の利益のために、その権力(金銭と軍事力)の増大しか、眼中にないように見える。多数はこうした面に目をつぶるように仕向けられているようである。
(注1)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200912131511030
(注2)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202010220837044 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202011090954401;
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202011281557466;
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202012061730390;
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202012210923391
(注3)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai12/dl/h6.pdf
(注4)https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1345720107255926784