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4.26.2014

Power Point Presentation of "Hiroshima to Fukushima: Biohazards of Radiation"


The publication of the "Hiroshima to Fukushima: Biohazards of Radiation" was announced on this site before (2013.11).  Subsequently, two lectures have been given on the book; one at World Federalists monthly event and another at University of British Columbia.  The talks were given with PPT.  It is shown below.   -- Eiichiro Ochiai (VSA9) --










                                                                                 


















                                           

















































3.13.2014

「国際女性の日」、バンクーバーで、日本軍「慰安婦」についての勉強会-参加者の感想

3月8日、国際女性の日、バンクーバー九条の会は、日本軍「慰安婦」問題についての勉強会の一環として、映像とディスカッションの会、第二回目を行いました。ピョン・ヨンジュ監督の映像シリーズ

『ナヌムの家』 (英題: The Murmuring) 1995/ 98min.
『ナヌムの家II』(英題: Habitual Sadness) 1997/ 56min.
『息づかい』(英題: My Own Breathing) 1999/ 77min.

のうち、今回は第三作の『息づかい』を観ました。

「シネマ・コリア」のウェブサイトにこの作品の詳しい紹介があります。
韓国の女性が初めて従軍慰安婦問題を正面から取り上げたドキュメンタリー作品。「韓国のドキュメンタリー映画史・インディペンデント映画史・女性映画史は『ナヌムの家』以前と以後に分けられる」との評もある記念碑的作品。続編に『ナヌムの家2』が、そしてシリーズ完結編に『息づかい』がある・・・続きはこのリンク

3月8日、バンクーバーでの勉強会。メンバーの自宅で。

参加者の皆さんからの感想を紹介します。

H.M. さん(女性)より。
ナヌムの家3 息づかい
フィリピンで、性暴力被害女性と支援者たちと踊るハルモニ。皆に花嫁衣装を着せて貰い、誕生日を祝って貰うハルモニ。お墓に埋めに故郷へと仲間に連れていってもらう亡くなったハルモニ。日本軍がさらいに来た場所で過去を語り、その時を思い出して岩陰に友達と隠れ、それをかくれんぼに変えてふざけ、泣き笑いするハルモニ。悲惨な慰安婦体験で記憶も失って、自分が誰だか分からないまま、妹だと信じる女性の誠心誠意の看病で健康回復したというハルモニ。慰安婦だった過去を本にしたものの、娘や孫には隠し通し、過去を語らなかったというハルモニ。でも実は、娘夫婦はこっそりその本を読んで、ずっと一緒にその傷に耐えてくれていた。。。
かつて悲惨な過去を孤独の中で耐えて生き抜いて来たハルモニは、今こうして、静かに愛され、過去の傷を分かち合い、その苦しみを少しずつ背負って貰って生きている。。。私もその様子を視聴者として見守りながら、思いを分かち合い、彼女達の心と体に刻まれた慰安婦の歴史を体の中に感じた映画でした。
T.I. さん(男性)より。
10万人と云われる元慰安婦達が恥ずかしさ故に、戦後50年近く沈黙を守ったと言うのは驚きで、その時代の韓国女性の純情さが、残念ながら加害者を利する結果になったように思います。
 おばあさん達が勇気を持って過去を語り始めたのは、日本政府にせめて一矢むくいようという怒りか?真実を後世に残したいという本能か? 多分、第3者が簡単には表現できないものだと思います。
 しかし遅れて作られた映画、最近建てられつつある銅像がおばあさん達の遺志を引き継ぐ事になると思います。
30代、女性の方より
女性達の話に、自分自身を照らし合わせて考える。私が少女だった頃、彼女達と同じ経験をしていたとしたら…。仮に生き延びていたとして、成人である今、どんな毎日を過ごしていただろう。もしも家族が居たら、または独りだったら。夜を朝を、どんな気持ちで迎えていたか。果たして私に、自分の身に起きたことを告白する勇気があっただろうか。作中で表される彼女達の生も死も重く、いつまでも頭を離れない。 
K.H.さん(男性)より
被害者たちが要求しているのは必ずしも「補償」や「謝罪」ではないと思うのですね。
つまり、村山談話や河野談話で表向きでは「政治決着」が着けられたと云われながらも首相や閣僚やその
他日本を代表するような立場の人びとの口からそれを否定する言説が次々に出されて来るわけです。
そこにメディアなどがどんどん悪乗りをして来ている。
これは消えかかった炎にわざわざ油を注いでいるのと全く同じことなのです。
これこそ日本の誇りそのものを辱めているのだと思います。
今に至っても彼女らを侮辱し傷つけるこのような言動は許し難く、日本の良心が問われているのではないでしょうか。
このことは韓国朝鮮のみならず日本とその未来を裏切っている重大な犯罪行為だと私は思います。 
S.N.さん(女性)より
性奴隷という犯罪を軍が積極的に組織し管理して進めた日本軍「慰安婦」制度。おばあさんたちの泣く顔、笑う顔、怒る顔-しわだらけの顔でも、すべての顔の向こうには少女の顔が見えた。一人一人が、女性だったら自分自身が、男性だったら自分の娘や姉妹がこのような犯罪の被害にあったら、と精いっぱいの想像力を働かせれば、この重すぎる歴史を背負った人類の課題は自明であるはずだ。奇しくも今年のアカデミー賞作品賞は米国の奴隷制を扱った映画 12 Years a Slaveだ。日本人は、この映画を観て他人事とは思わず、アジア隣国から連行して奴隷的労働をさせ、女性たちを性奴隷にした自国の歴史を直視するために自らこのような映画を作るべきだと思う。日本出身者としては日本を大事に思うだけに、現政権をはじめとする多くの日本人が歴史を否定する言動を続けていることを、恥ずかしく思い心を痛めている。
J.K. さん(男性)より。
このニュースをご覧ください。http://news.yahoo.com/video/ariel-castro-gets-100-years-224810813.html
当時は女性を性欲解消の道具としてもいいほど兵士の人権が重要だったでしょうか。そんなことをしてもしょうがなかった特殊な状況だったでしょうか。もし自身や家族に同じことにされても、「人なりの事情があったはずだからしょうがないことだ」と簡単に言えることでしょうか…。二十年以上たっても勉強会しかできないということでとても複雑な感想でした。-------ありがとうございます。
R.K.さん(女性)より。
人間そして女性としての尊厳を奪われ、その心と体の傷を社会の重圧により長年封印されてきた元従軍慰安婦。彼女たちの40年以上に渡る沈黙は、性犯罪と性差別の酷さを語っています。国際社会において名誉ある地位を占めようとする日本の責任は、日本軍が彼女たちに与えた苦しみ、つまり彼女らを監禁した上、暴力をふるい性行為を強要したという事実を認め、その責任を真摯に受け止め、謝罪し反省することなのではないでしょうか。
E.O. さん(男性)より。
元慰安婦の語る赤裸々な話は、耳を覆いたくなる。こうしたことに軍人が嬉々として参加するのを、どう理解したらよいのか(良心の呵責を感じた軍人もいたとのことだが)。それを時の権威者が公認していたことには、政府・関係者とも深甚の謝意を表すべきは論をまたないが、戦場に於いては軍人を常規を逸する行為に駆り立てるという事実も認識し、従軍兵の立場(人間性の喪失)からでも、戦争は許されないことを認識すべきでしょう。
高校生、女性の方より。
私はこの映画をみて、自分に罪悪感を感じました。なぜなら、映画の中で皆が日本に謝罪を求めていたからです。20年たった今でも日本はまだ正式に謝罪をしていません。謝罪どころか開き直っている気がします。私は慰安婦の事は映画を観るまであまり知りませんでした。これを機に今後日本がどうこの問題に対応したらいいか、自分なりに考えてみようと思います。
S.L.さん(女性)より。
自分の名前を知らないハルモニ。家族が何人いたのか思い出せないハルモニ。心の底から笑ったり楽しいと感じたことのないハルモニ。「生きる」ことが辛いハルモニ。いつも孤独なハルモニ。彼女らにしか語ることができない「性奴隷」の実態について聞いて感じること抜きに過去そして現在も続いている植民地、戦争、貧困による女性への人権侵害や暴力は理解できないし根絶できない。あらためて日本政府への謝罪を求めるとともに、これからも勇気をもって「過去」と向き合う努力をしていきたい。

★★★

最後に、日本軍「慰安婦」問題について勉強したい人に優れたウェブサイトを紹介します。

Fight for Justice - 忘却への抵抗・未来の責任
http://fightforjustice.info/

特に日本で、歴史をねじまげたい人たちにより流布されている数々のウソを見破るためにも、このQ&Aコーナーは大切です。



10.18.2013

Hiroshima to Fukushima: Biohazards of Radiation

The following book was published recently.

The title: "Hiroshima to Fukushima: Biohazards of Radiation"
The author: Eiichiro Ochiai
The Publishers: Springer Verlag (Heidelberg, Germany)
The publication date: Oct. 14, 2013

It deals with (1) the scientific bases of nuclear reactions/radiation/its effects on chemical world (including life); (2) the mechanisms of the effect of radiation on the biological systems, and some defense mechanisms against radiation; (3) the data obtained on the radiation effects on life in the aftermaths of the Chernobyl accident, Fukushima accident, the atomic bomb tests, depleted uranium munition, etc.; and (4) How the nuclear industry and its associates have been reluctant in admitting the negative radiation effects on human health and all other living organisms, and have been covering up the truth of radiation effects.

-->
 この書を著した動機は、東日本大震災に伴って起きた東京電力福島第1原子力発電所の事故,それに伴う放射能による様々な問題、特に健康への被害についての憂慮から発したものである。
 先ず,放射線はなんであるか、当たっても痛くもかゆくもないのに、10シーベルトぐらい以上浴びると、数時間から数週間内に死に至る。しかも、10,いやその10倍の100シーベルトでも、定義上は、100ジュール/kgという非常に僅かなエネルギーである。このエネルギーは、体温を僅かに0.0024度上げるに過ぎない。こんな熱で、人間、死にはしない。しかし、実際は、100シーベルトの被爆は、瞬時の死を意味する。どうなっているのか?ここに、放射能の人体(生物)への影響の秘密が隠されている。α,β、γ線などの高いエネルギーをもつ放射線というものが、どういうもので、どんな原因で出て来るか、そして、生物で代表される地球上の化学物質とどう関わるのか、このあたりの基本をまず理解しないと、放射能・健康問題は、充分に理解できないと思われる。
 放射線というものは、放射性物質から出て来るが,放射性物質は、自分の寿命(半減期)に従って、自然消滅はするが、それまでは、通常の手段では、人工的に変えたり、解毒したりすることはできない。したがって、一度環境に出てしまうと、それを避ける手だては、放射能の少ない所で生活し、放射能汚染されていない水、食べ物を食べる以外、有効な方法はない。しかし、現在こうしてかなり汚染されてしまった地球上に生活せざるを得ないあらゆる生き物はどうするか。原子力産業側は、放射能の影響をなるべく過小に評価して、これぐらいの汚染なら,心配はいらないと人々を安心させようと図っている。実際は、原子力産業は様々な意味で、放射性物質を放出し続けていること、それが健康へ負の影響を与えるていることを、認めることを拒否しているに過ぎない。これを認めれば,原子力産業は、存在してはならないことになるから。放射性物質のあるものは,かなりの長い半減期をもち、そうした廃棄物をどう安全に、保管処理するか、その方法すらまだ確立されていない。
 しかし、そうした放射能の健康被害が、過小評価が比較的信じられやすい状況が現実にはある。原爆直下や周辺での高レベルの被爆の影響は、死亡も含めて放射線急性症状として明らかで、原子力産業側からも、そのように認識されている。しかし、低レベルの被爆は、影響があるとはいえ、健康に負の影響を与える要素は無数にあるので、放射能が原因であると特定するのは非常に困難である。その上、汚染度もによるが、汚染地に住む人が一様に健康障害を起こすわけではない。多くの人は、影響を受けず、「放射能なんて問題なの」と否定的に捉えることは容易だし、なるべくそう思いたいのが人情であろう。しかし,不幸にも、放射能の影響を受けてしまう人は必ずいるのである。今のところ、比較的数は少ない(とはいえ,福島の子供達の甲状腺ガンの発生数は異常に高率)し、報道機関はこのような問題を追求しようとしていないし、医師・医療機関にも箝口令がしかれているようなので、あまり表沙汰にならない。また,福島の現場で働く作業員の健康問題(死亡も含めて)もあまり報道されない。というわけで,日本国民の多くは、事実を知らされていない。
 放射能の生体への影響の科学は、まだ不明なことが多い。そのうちでも、ガンとの関連は比較的詳しく研究されている。そのためもあって、放射能の健康被害というと、直ぐ『ガン』となる。これは専門家も市民も含めての反応である。しかし、ガン以外のあらゆる健康障害が、放射能によって引き起こされることは、科学者でなくとも推測できるし、事実すでにかなりのデータは集積されている。ガン発症には、細胞内の遺伝物質DNAが関係しているが、放射能の影響がガンのみというのは、放射線は、DNAのみを狙って悪影響を及ぼすことを意味し、放射線は、DNAと他の様々な物質を区別することを知っているということになる。こんなことはあり得ないと言いうるのだが、これも、放射線と生体内の化学物質との相互作用がどんなものであるかを理解しないと、わからないことなのかもしれない。
 本書は,こうした問題を簡潔に考察したものである。すなわち、放射能とその生体への影響の科学的根拠、実際に得られているそれに関するデータ(チェルノブイリ、福島、劣化ウラン、原爆などなど)の検討、原子力産業界がこの問題にどう関わってきたか、などを検討したものである。
 現在、福島原発事故の実態は,まだ解明されていない。メルトダウンした燃料棒がどうなっているかすら、見当すらついていない。また事故が地震によって引き起こされたのか,東電の云うように津波のためなのか、まだ確定していない。著者は、この書を書いた時点(2012年秋)では、地震による配管類の損傷(と地震による第1次電源の消失)が根本の原因と、推測したが、最近それを支持するデータや,現場をよく知る人の意見などが見られるようになってきた。そして、崩壊熱を冷却するための注水が、循環されることはなく、汚染されて出てきてタンクに納められているが、海への漏洩、地下水の汚染などなど、様々な問題を引き起こしている。汚染水の問題は、冷却機構の再検討などを含めて早急に解決しなければならない。また、保存プール(特に4号基)にある燃料棒の速やかな処理(安全な形で、安全な場所へ)なども緊急の課題である。
 しかし、本書はこうした福島原発の現実的な問題は、扱っていない。扱っているのは、放射能というものの健康への負の影響の解明であり、「(高エネルギー)放射線は、生命と相容れない」という命題を、検証しようとするものである。これが,検証されたならば、原爆・原発とも、放射性物質を作り出し、環境にばらまく(意図的、非意図的に)ことは、これ以上してはならないことになる。それは生命の存続の可否の問題であり、生きる権利というもっとも基本的な人権問題といってよいかもしれない。政治・経済を超越した問題である。もちろん,原爆そのものが戦争に再び使用されることがあれば,放射能はともかく、大量の人間,生命、環境、建造物などなどの破壊につながり,人類文明は大変な危機に見舞われるであろう。しかし,原発も、今後も継承され、いや、増やされるとすると、それが作り出す放射性物質、従って,環境での放射能レベルの増加が生命をより強く脅かすことになる。それへの警鐘が、この書の主題である。


落合栄一郎

10.17.2013

日本国憲法はどこへ行く?

(以下は、JCCA月報Bulletinの2013年10月号に掲載された記事の転載です。)


日本では、明治22年(1889)に明治憲法が公布され(施行は1年後)、それが、第2次世界大戦後まで継続していた。ここで、明治憲法の制定過程や内容を議論するつもりはないが、「天皇主権」が根本原理であり,主権在民という民主主義の精神に基づいてはいない。
敗戦により、米国駐留軍が日本を占領し、日本の政治・社会を支配していた。その中で、旧議会派や民間の弁護士の組織などが、別々に、日本のそれからの社会の枠づくり、すなわち新憲法創出を議論し、それぞれが、その案をGHQに提示した。旧議会派の案は、明治憲法からの束縛を逃れられず、米占領側は一顧だにしなかった。一方、民間側からの案(映画「日本の青空」参照)は、米国側に共感を呼ぶものが多かった。米国も日本の新憲法草案を練りつつあった。こうしてできた新憲法草案には、「戦争放棄」の条項はなかったのだそうである。この条項は,GHQ司令官マッカーサーと当時の幣原喜重郎総理との会談で、幣原氏の発言に基づいて作られたことを、マッカーサーは後の回想で明言している。この点や基本的人権など、新憲法は日本側によって形づけられたと言ってよい。天皇の地位については、アメリカ側は、「天皇が日本国の象徴」という表現にまで譲歩し、そして天皇の戦争責任などは、不問にした。すなわち,新憲法がアメリカに一方的に押し付けられたという主張はあたらない。
戦争放棄と軍備を持たないという9条は、苦悩を押し付けられるだけだった戦争経験者・犠牲者の国民にとっては、非常に輝かしい未来を約束するように感じられた。アメリカ側には,日本が直ちに再軍備化するのは、アメリカや連合国にとって不都合、脅威であるから、それを避けるという思惑がこの条項には込められていた。この思惑をアメリカは、戦後の状況変化により、ほとんど直ちにかなぐり捨てたようである。それは朝鮮戦争に始まる、第2次世界大戦後のアメリカという唯一の大国が、世界中で様々な状況にちょっかいを出し始め、そのために足りない戦力を日本に負わせようという魂胆から出ている。それは朝鮮戦争に始まり,ヴェトナム戦争へと極東での戦争で、日本の加担を引き出そうと画策した。それに応じて、日本は,9条の精神から逸脱して、警察予備隊から、自衛隊へと軍事力を高めてきた。9条があるとはいえ、自衛は、国連憲章にも認められている権利であり、自衛に徹した軍事力は、9条の精神に反しないという論理である。冷戦が終わった1990年以降、アメリカの戦争介入の機会は増えた。そして、最近は特に,アメリカの財政逼迫による軍事費削減を日本に、経済的、軍事的に補填させるべく,プレッシャーが高まっている。それに呼応して、自民党は,憲法改定を公言して政権の座についた。このアメリカからのプレッシャーの下、憲法改定を経ずに、集団自衛権を確立しようという動きも同時にある。いずれにしても,現政権は,日本を通常の戦争ができる国にしようという意図である。
人類は、いつの時代にも、何らかの武力抗争をやってきた。21世紀の今も、武力を国際紛争、侵略の手段にしていることには変わりはない。これが、日本で、通常の軍事力を持てという議論の基本になる。すなわち、人類から戦争は絶対になくならないのだから、日本も正常な軍事国家になるべきと。特に,現今の中国、北朝鮮などとの緊張を強調することによって、そのことを正当化しようとしている。それに煽動された右翼勢力は、反対分子に対して、殺し文句「非国民」なるレッテルをはってプレッシャーをかけている。この雰囲気は,15年戦争開始/戦争中への回帰を危惧させる。
しかし、今までの武力抗争と、これから起こりうる大規模武力抗争には本質的な違いがある。それは武器にある。大量破壊兵器の存在、その大量の蓄積である。原爆、化学兵器(毒ガス)、生物兵器など。人類の縮少努力にも拘らず、大国は、これらの兵器を公に、ある場合には非公式に保持している。そして,現状を大幅に変えない限り,いずれは、これらの兵器が使用される地球規模の戦争になる可能性は高い。現状とは,紛争を武力で解決するという基本姿勢である。
ここに,9条の意味がある。9条は,交戦権を捨て、兵力をもたないことを世界に向かって公言したものである。日本は,勇気をもって、これを保持し、この理想に近づく努力をすべきである。勇気をもってというのは、隣国などからの脅威を、武力抗争でなく、なんとか話し合いで、平和裏に解決するという意気込みをもつということである。実際,日本が武力をより拡張し,自衛の為とはいえ、戦火を交えることに手を染めるとすると、現在の人類の技術レベルでは、日本国土を安泰に保持することはほとんど不可能であろう。日本に散在する54基の原子炉がミサイルの標的となり、その5分の1でも破壊されたら、日本は人間の住めない放射能汚染国になる。すなわち,原発が核兵器と同じ働きをするのである。逆に、日本が9条を保持し、非武力による紛争解決の世界のリーダーに成るならば,世界からの尊敬を受けこそすれ、武力攻撃の対象にする国はなくなると思う。スイスが良い例だと思う。そんな理想論はだめだ、と言ってしまえば、それまでだが、原爆の洗礼をうけた日本国こそが、この理想を高く掲げるべきである。
WFM(World Federalists Movement)のバンクーバー・ブランチは、現在、日本国憲法9条の貴重さを強調し、その擁護を日本政府関係者に訴える運動を起こそうとしている。世界中の人々を動かして、日本政府に働きかけることは有効であろうと思われる。
一方、日本国民は,戦争被害者ではあったとはいえ、戦争を引き起こした側への充分な反対の意志も伝えられず、軍部の独走、その暴挙などを許したことに一端の責任はあるものと考えて、その歴史事実を検証し、学ばなければならない。

落合栄一郎

映画鑑賞と討論会:「はだしのゲンから見たヒロシマ」

バンクーバー9条の会とピースフィソロフィーセンタ—共催で、『はだしのゲンから見たヒロシマ』を見て、平和の意味について討論を、下記の要領で催しますので、ご参加ください。

日時:10月30日午後7時−7時
場所:イエールタウン、ラウンドハウス(カナダライン、ラウンドハウス下車)

『はだしのゲン』は、中沢啓治さんの、反戦漫画の古典で、最近日本では,右翼などの圧力で、学校の図書館で、閲覧が制限されたりする問題が発生しています。それは、ヒロシマの悲劇に負けずに生きるゲンの生き様を描くと同時に、戦争への批判、日本の植民地支配、軍部の過酷さ、天皇批判などにも、触れられているからです。この映画は、その中沢啓治さんのインタビューを通して、彼の半生などが描かれています。自民党政権の、日本国を軍事力を行使できる普通の国にすべく、また、新憲法にもられた主権在民、基本的人権などの最も重要な憲法の基本概念を捨てて、戦前の体制に逆転させようとする動きが、活発化しています。この機に、この映画の鑑賞を通して、これから平和を維持するためにはどうするべきかなど、討論したいと思っています。どうぞ,ご参加ください。入場は無料ですが、会場費などの補助のための、寄付をお願いします。

落合栄一郎

 

7.03.2013

原爆展—平和の基礎を築くためにー

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原爆は,日本に最初に落とされましたが,現在でも地球上には全人類をなん度も皆殺しできるほどの核兵器が存在しています。先ずその恐ろしさをこの展示で見て頂きますが、恐ろしさの原因の1つは、死の灰—放射性物質—です.しかし、その影響はこれらの写真や絵では表現できません。死の灰、それは福島の原発事故でまき散らされたものも同じです。原発も原爆同様に、廃棄しなければならないものです。核兵器が、また戦争に用いられることになったら、広島・長崎程度のことでは済まされず、人類の多数が消失することになるでしょう。これを避けるには,核兵器の廃絶と戦争そのものをなくす努力が必要です。
この原爆展では、以下のような催しを行います。
(1)原爆の悲惨さを示す写真/絵の展示
(2)原爆と原発:放射能の健康被害、カナダの役割など—スライドショー
(3)鶴の折り方:千羽鶴の意味をアニメ映画で。

主宰:VSA9Peace Philosophy Centre
日時2013年、834日 午前11時—午後5
場所:日本語学校 487 Alexander Street, Vancouver
ヴォランテアー募集:展示会での手伝いをして下さる方を募集しています。特別な条件はありません。eo1921@telus.netにご連絡ください。


Atomic Bomb Exhibition – To Make Peaceful World –

      The atomic bombs were dropped on Hiroshima and Nagasaki, 68 years ago.
Since then, mankind has gathered nuclear weapons so many that they can annihilate ourselves several times over. This exhibition shows how terrible the effects of the atomic bombs were, but one thing cannot be illustrated.  That is the health effects of the radioactive material produced in the atomic bomb explosion. The same radioactive materials are being produced in the nuclear power reactor, and have been released into the environment from some accidents including that of Fukushima Daiich Nuclear Power Plants in 2011.  Hence the nuclear power reactor may be regarded to be one of WMD’s and hence must be abolished, like the nuclear weapons.
     An exhibition “Atomic bomb in relation to Peace” will be held as follows.
(1)  Panels to show the horrors of Atomic Bomb
(2)  Slide show: Nuclear weapon/nuclear power; their radiation effects and what Canada is doing.
(3)  Senbaduru (Thousand cranes): An anime movie of the story of Senbaduru

When: 11:00-17:00 on Aug. 3 and 4
Where: Japanese Language School, at 487 Alexander Street, Vancouver
Volunteers: Volunteers to help in setting up, manning tables and others are needed.
Please help us as you can, and email to eo1921@telus.net, if you can.

4.17.2013

猛暑を考慮に入れても今年の夏、原発なしで電力は足りる−新聞記事ー

以下に、原発が稼働しなくとも、今年の夏の電力は足りること、節電の要請も必要ないとの新聞の記事を掲げます。


1、9日の電力需給検証小委員会で、経済産業省は沖縄を除く9電力会社の今夏の
 電力需給見通しを報告。10年夏並みの猛暑となり、これ以上原発が再稼働しな
 い場合でも、全社が3%以上の供給余力を持てる見通しとなった。
  猛暑日の昼過ぎなどに想定される電力の最大需要に対し、どの程度供給力の
 余裕があるかを示す「供給予備率」は、全国平均で6.3%。今夏、電力不足だ
 った関電と九電がそれぞれ3.0%、3.1%との見通しを示し、安定供給に最低限
 必要な水準(3%)は何とか確保した。節電意識の定着で、昨夏の節電の7〜9
 割が今夏も継続すると見込み、景気回復に伴う需要増加分を吸収した。
 (後略)           (毎日新聞4月10日より抜粋)

2、さらに節電意識定着、電力9社不足せずと発表(4月17日)

  経済産業省は17日、電力需要検証小委員会(委員長・柏木孝夫東工大特命教
 授)を開いた。今夏は、猛暑を想定し原発をこれ以上再稼働させなくても、節
 電意識が定着したことで、沖縄を除く電力9社の電力は不足しないとする報告
 書案を示した。
  報告書案では、今夏の最大需要を1億6644万キロワットとした。東日本大震
 災後の節電実績を踏まえ、今夏の全国の節電効果は、無理な節電をしなくても
 1340万キロワットに上がると見込んだ。現在稼働している関西電力大飯原発3、
 4号機以外の原発が再稼働せず、景気回復による需要増(122万キロワット)を想
 定しても、9社の供給余力を示す「予備率」は、安定的な電力供給に最低限必
 要な3%以上を確保した。
                 (東京新聞4月17日より抜粋)

4.11.2013

安倍政権下での改憲の動きを論じる: UBC法学部松井茂記教授をむかえて (2013年5月4日、バンクーバーにて)


日本国憲法施行66周年・バンクーバー九条の会設立8年記念講座

 

安倍政権下での改憲の動きを論じる

UBC法学部松井茂記教授をむかえて-


日時:5月4日(土)午後2時―3時半


(開場1時45分) 

場所:Roundhouse Community Centre (Yaletown)

     2階 Multimedia Room

ラウンドハウスコミュニティーセンター(カナダライン Yaletown/Roundhouse 駅そば) 

費用:Admission by donation  

主催:バンクーバー九条の会、Peace Philosophy Centre 

問い合わせ:info@peacephilosophy.com  or 604-619-5627
 

集団的自衛権行使権容認、「国防軍」設置等を目的としながら、まずは改憲のハードルを下げるため憲法96条のみを改変し、国会両院の3分の2以上が必要な改憲発議を2分の1にしようとしている安倍政権。「アベノミクス」への期待感から上がる株価に勢いづいて、参院選に向けて高支持率を維持している、戦後最も好戦保守的な政権にストップをかけることは可能なのでしょうか!2007年に続き、UBCの憲法学者の松井茂記さんを招き、憲法についての私たちのさまざまな問いにお答えいただきます。
 

松井茂記教授 プロフィール

京都大学大学院法学研究科修士、スタンフォード大学法学博士。大阪大学法学部教授を務めた後、2006年よりUBC法学部教授。専門は憲法学、比較憲法学、マスメディア法、情報公開法、インターネット法、法律と医学。著書は『日本国憲法を考える(大阪大学出版会 2003年)『マス・メディアの表現の自由』(日本評論社 2005年)、『カナダの憲法-多文化主義の国のかたち』(岩波書店、2012年)等多数。

 

7.09.2012

脱原発派、国会で拡大中

国会内で「脱原発勢力」が拡大している。民主党に離党届を提出した小沢一郎
元代表ら49人が新党結成に向けて、消費税増税反対とともに、「脱原発」を政策
の旗印に掲げたためで、脱原発依存への姿勢が後退する野田政権に対する国会の
追及は強まりそうだ。
小沢元代表は2日に離党届を提出した後、新党の政策に関し「消費税増税先行
への反対は柱。原発の問題も大きな国民の関心事だ」と表明。「脱原発」を打ち
出し、首相との違いを鮮明にした。
元代表は、首相官邸前で毎週金曜の夜に行われる抗議活動について「政治が行
動しなければ、自分たちが行動するという(国民の)意識変化が大きく出てきた
のではないか。この意識が一番遅れているのが、永田町と霞が関だ」との見方も
示している。
元代表は6月5日、関西電力大飯原発再稼働をめぐり、政府に慎重な判断を求
める民主党有志議員が官邸に提出した117人分の署名に名を連ねた、新党参加者
のうち、署名者は元代表を含め、37人に上る見通し。次期衆院選をにらんで脱原
発の訴えを強める構えだ。(中略)
元代表は4日、社民党の又市征治副党首と国会内で会談し、消費税増税反対に加
え、脱原発でも連携を呼び掛けた。新党結成が国会の脱原発勢力を勢いづかせる
可能性はある。(7/7東京新聞より抜粋)

6.10.2012

憲法審査会ー最近の動き

衆議院憲法審査会の5月末ごろの審議の様子が、 http://pub.ne.jp/bbgmgt/?daily_id=20120606のサイトで報告されています。先にお知らせした「自民党の憲法改革案」を参照して、この動きをどう我々の運動に反映していったらよいか、ご検討ください。

5.16.2012

「原爆と原発−放射能は生命と相容れない」(本)


表題の小冊子(表紙は下に)が出版された(落合栄一郎著、鹿砦社,2012年5月、762円)。これは、著者が、昨年バンクーバーで行った講演に基づいている。日本人が対象ではないので、日本では常識になっているような事柄も、概要を説明したので、これ1冊で、「原爆と原発」問題の概要が掴めるように配慮されている。しかし、この本の主題は、「放射線というものが、いかに危険なものか、どうして危険なのか」という点に関して、科学的・原理的に考えてみるということにあり、現在様々な仕方で行われている放射線による人体の健康への影響を根本的に見直してみた。そして導かれた結論が、「放射線は本来生命とは相容れない」ということである。
現在福島原発の事故は収拾とはほど遠く、事故の現状ですら、ほとんど把握されていない。破壊が凄まじく、高い放射線量のため、人間が近づくことも難しく、調査は、精査をするには不完全なロボット頼りである。なんとかこのような現状を少しでも改善しようという努力はなされているようであり、それに携わる労働者に放射線被害がすでに起っており、死者もでている。また4号機は、現在も非常に危険な状態にあり、強い余震で、壊滅的な放射性物質放出を招きかねない。このような現状にもかかわらず、政府は終息宣言を出し、充分に科学的、技術的な検討もせずに大飯原発の再稼働を画策している。原発なしでも、充分に電力需要に応えられる事実には目を塞ぎ、電力不足を喧伝している。
一方、福島地元での避難区域の縮小などを政府が進める一方、放射能被害と考えられる様々な健康障害が、地元住民ばかりでなく、関東地方でも発生しているにも拘らず、そのような事実には政府は目をつぶっているし、したがって、組織的な充分な健康調査も行われていない。また、そもそもこの原因を作った企業に対する刑事責任の追求のかまえすらない。
こうした政治経済的、医療的側面は、日本国政府の政治姿勢が根本問題であるが、その前に、原発にしろ、原爆にしろ、根本的に生命(人間を含めた全ての動植物)とは、相容れないということを、この本では科学的見地から議論している。ということは、原爆も原発も、いのちを破壊するものであって、日本国とか,東電とかいうレベル以上の、全人類の問題である。原爆はいうに及ばず、原発を維持、開発を進めていけば、地球上の全生命にその破壊力がおよび、大げさに言えば、生命を持つ、このすばらしい地球という天体を生命が住めないものにしてしまう可能性がある。現在ある核兵器、原発を今すぐに廃棄しても、それに含まれる放射性廃棄物を生命に悪影響を与えないように処理するのは、非常に困難である。こんなものを人類が作り出してしまったのは、非常に残念なことであるが、今、この機会に少なくとも日本の原発は全廃し、原爆の被害者の立場も含めて、地球上からの原爆と原発の廃棄に、日本は指導的役割を果たせるであろう。こうしてこそ、原爆と原発の犠牲者に報いることができる。

4.27.2012

自民党の憲法改定案

自民党の憲法改定案の全文が、現憲法と対照して、http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdfで見られます。是非ご覧になってください。”天皇を元首”と規定するほか、様々な基本的人権も、公益と公の秩序に反するという条件で、かなり制約されるように思います。また,平和条文に関しては、基本的には”自衛権”を主張しますが、それに付随して、事実上の軍隊(国防軍と称する;通常どこの国の軍隊も、国防省に属します)に関する条文も追加されています。これに関して、法律に詳しい方を交えて検討する必要があるでしょう。