現在、日米安保に基づく沖縄基地問題や、直接な関係は希薄だが、インド洋沖の米軍への給油(今は頓挫)、ソマリア海域でのいわゆる海賊船防衛のための護衛艦派遣など、日米安保と日本の自衛隊との関連などの問題が山積している。また、2010年は、日米安保条約提携50周年にあたる。この期に安保を見直すことは有意義であろうし、必要であろう。そこで、それを促進するための、簡単な論考を。
日本人の間には、「日米安保」により日本はアメリカの保護下にあって安心だという思い込みが蔓延しているようである。実際は、東西冷戦下で、アメリカの極東での橋頭堡を日本に負わせたのが、日米安保だったのであり、冷戦は一応は解消したのだから、この意味での必要性はなくなった。日本人が思い込んでいるような、アメリカが日本を本当に守ってくれるかどうかについては、今までのところそれを試す機会は幸いにしてなかったが、日本の人が認識すべきなのは、アメリカと同盟関係を結び続けていると、アメリカへのテロ活動その他が、日本へまでも拡大される懸念のほうが大きく、アメリカが日本を守ってくれるどころではないということである。このような事柄を、メデイアその他でもっと十分に検討するような雰囲気を醸し、日本人がそれに参加しなければならないのに、日本人は、安保というものが日本の利益になるものとばかり思い込んでいる。実際は、日本に不利益ばかりが押し付けられているー沖縄の基地その他と米軍維持の財政援助などー。
ところで、日米安保を破棄した場合のリスクには何があるだろうか。アメリカの保護(という建前)がなくなったら、日本は他国からの侵略に晒されるであろうか。日本の経済力その他における世界での位置からしてそのような事を敢えて試みる国はありそうには思えない。
現在、普天間基地の移設ーというより廃棄すべきーについて、アメリカ側はグアム移転をすでに実行に移しているにも拘らず、鳩山政権がもたついており(防衛大臣の影響か)、沖縄の基地も含めて、日米安保の問題全体を考え直す良い機会だと思われる。
落合栄一郎、VSA9
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