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9.10.2022

人類の当面する基本問題(47) ワクチン関連のより深刻な問題−2(日刊ベリタ2022.08.29)

 まず、人類の一部である筆者自身の周辺でのワクチンの影響とみられる現象が増えてきていることを2、3。直接の家族(息子、孫)に、ワクチンを3回摂取したにも拘らず、Covid様の症状が出たこと。幸い、孫の方は、1週間ぐらいで、健康を回復したし、息子の症状は軽かった。友人の一人は、ワクチン摂取後、心臓の具合が悪く、狭心症とされた。幸い、数週間後には、回復した。もう一人の友人は、3回目のワクチン摂取数日後に、帯状疱疹症状が出た。筆者自身には、血栓と考えられる現象が摂取後2度ほど起きた。幸い、周辺に死者はまだ出ていないが。おそらく、こうした現象は、多くの人が見聞きしているのではないかと思われるが、あまり問題視する意識が少ないようなのが、気に掛かる。おそらく、ワクチンの有効性、安全性を喧伝する政府、情報機関などの意見が、いまだに人々の意識を支配しているのであろう。洗脳に等しい。

 

(1)ワクチンの悪影響の更なる現象−1

 

ワクチンの様々な悪影響に関しては、これまでに何度か報告した(注1)。ここでは最近の更なるデータのいくつかを紹介する。

 まずイギリス政府の最新のデータ(2022.01.01~2022.05.31)を分析した結果の報告(注2)である。 10~14歳の子供たちで、ワクチン非摂取者10万人(年)あたりコロナによる死者数は、0.31、摂取者(1~3回)では44.5;コロナ以外の原因による死亡者数は、非摂取者で6.07、摂取者では、なんと351。ワクチン摂取の結果、コロナで死亡した率は、非摂取者の143.5倍、コロナ以外の原因による死亡では、57.8倍。ワクチンは、死亡率(コロナでも他の原因でも)を数十倍も上げている。有効と安全などとはほど遠いというより、有毒/危険である。

 ヨーロッパ各国でも死亡率が上昇していて、201619年5月との比較で、20225月の死亡率の上昇が、15%以上が、アイスランド、ポルトガル、ギリシャ、10-15%がノルウェー、フィンランド、アイルランドなど。5-10%が、西欧側の中心部(フランス、ドイツ、イタリー、チェコ、ポーランドなど)、スウェーデン、デンマーク、スイス、ハンガリーなどでは、5%以下だそうである(注3)。

 筆者の住むカナダでは、政府が特に強硬にワクチン摂取を押し付けている。最近医療者に4回目の摂取が義務づけられた。そこで驚くべきことが起こった。あるオンタリオ州の病院で、4回目の摂取が始まってから、三人の若者の医師が、突然死したのである(7月171820日に)(注4)。その後の調査では、過去9ヶ月間に、3回、4回のワクチン摂取後に14人の若い医師が、様々な原因で死亡している。こんなことは過去30年見たことも聞いたこともないそうである(注5)。

 しかし、他の多くの国でも、ワクチン摂取を執拗に強制し続けている。そして、驚くべきことには、小児(10歳以下)にまでワクチン摂取を多くの国で進めている。小児は、Covid-19に感染しにくいことは初めからわかっていたにも拘らず。このため、小児肝臓炎がかなり国で急増している(注6)し、そのほかの炎症を体のあちこちで起こす例が増えている(注7)。

 日本では、現在世界中で最高度の感染第7波が起こっていることになっている。こうした感染者の多くは、十分にワクチン摂取を受けているはず(日本人のワクチン摂取率から判断して、しかしそうしたデータは発表されていない)で、ワクチンが感染者を増やしているのであろう。今までにも、議論したように、今回のワクチンは、人間の免疫機構を弱める(注8)ので、ウイルス、その他の病源を駆逐することができなくなって、感染してしまうのであろう。ワクチンを摂取しても、第n波と何度も感染現象が繰り返し起こっていることは、ウイルスが変異することによって、既成ワクチンが無効になるという原因があるとも考えられるが、最近の研究(注9)で、そうではなく、やはりワクチンが免疫システムを弱めることが原因であることがわかった。それでもワクチン摂取を勧めるのは、無駄以外の何者でもない。いや、ムダどころか、人々に害を加えることを政府、その他の公共機関が推奨している。こうして、人々を犠牲にして、製薬企業は大儲けをしている。

 このような製薬企業援助の典型例が、Gilead社なる会社が最近開発したレムデシヴィル  (Remdesivir) なる薬の使用承認と奨励である。これには、ワクチン面で先頭に立っていたNIAID長のA. Fauciが関与していた。すでに、安価で有効性が明白にわかっていたイヴェルメクチン、ヒドロキシクロロキン、インターフェロン−2などはWHOCDCなどが使用を禁止していながら、新たに作られた(有効性あるとは言えないらしい(注10))医療薬の、病院などでの使用を奨励している。なんと困った現象(というのは不適当で、政治の腐敗)であろうか。

 

(2)ワクチンの悪影響の更なる現象−2:出生率の急激な減少

 

最近顕著になってきた現象のひとつに、多くの国で、出生率が2022年になって急激に減少し始めたことがある。まずドイツのデータ(注11)。2022年1月から3月までの出生率が、前7ヶ年の同じ月と比べて、18%減少した。これが通常と同じように特別な原因でなく起こる確率は、やく2 x 10-9程度。すなわち、通常では起こり得ない。このことは、2021年の3月から6月の間に、何か、受胎を妨げるか、胎児の体内成長を妨げる現象が多くの婦人に起こったことを意味する。

 ワクチン摂取率の高いハンガリーでは、出生率の減少が酷く、州によってまちまちだが、減少率は、22.2%から1%18州の平均は13%ほどであった(なお2州ではわずかに増加)(注12)。スウェーデンでは、2022年での出生数の減少率(2021年の同じ月との比較)は、1月で1.7%、2月4.95%、3月8.7%、4月で10.4%であった(注13)。また、米国カリフォルニア州では、2022年6月の出生数は、前年の同じ月より6.4%減少(注14)。台湾の2022年5月の出生数は、9442人で、前年の5月より23%減少した(注15)。

 また、男性への影響も見られている。精液中の精子数が、ワクチン摂取後75~125日間にやく20%減少、しかし、145日以降は、回復しているという研究結果がある(注16)。

 

(3)ワクチンの悪影響:その科学的根拠の追求

 

これまでの様々なワクチンの影響を思われる現象が本当にワクチンが原因であるかどうか。公式側は、ワクチンの作用と確定できないとの意見が主であり、日本では、これより、死亡の報告にワクチン摂取記録を含めないことにするなど、非常に酷い方法で、ワクチンの関連性を隠蔽しようともしている。また、大人が突如として死亡するがその原因を不明確にするために、SADS (Sudden Adult Death Syndrome)とかいう風に誤魔化して記録することも始まっている(注17)。

 こうした中、ワクチンの作用であることを科学的に実証しようとする努力をしている人もいる。Dr. Jessica Roseの最近の発表(注18)が非常に核心をついていると思われるので紹介する。

 まずモデルナのワクチンについての検証時の数:ワクチン摂取者数15184に対してプラセボ摂取者15162で、前者でSAE (Severe Adverse Effect=重症副作用)を起こしたケースが830.56%)、後者では310.20%)。ワクチンの副作用による悪影響があることはこの比(やく3倍)で明らか。次に図1だが、これはCDCVAERSのデータから、全米の摂取数の経時変化と重篤な影響の発生数の経時変化をグラフにしたものである。これは見事な直線関係にある。明らかに、ワクチン摂取がこうした悪影響を起こすことを意味する。彼女は、さらに、免疫機構の分子化学から見たm-RNAS -タンパク、そしてm-RNAを包み込む油脂球(lipid nano particle)の問題点なども指摘している。こうしたことのいくつかは、既にこの蘭で論じた(注1、注19)。

 


 

 

 

 

 

(4)正当な科学、科学者(医師も含む)の無視/抹殺、洗脳

 

アメリカの歴史上初めて(アメリカだけではないが)、病気についての処置、治療などを、そうしたことに関して科学的に詳しく、経験がある医師や科学者ではなく、大統領、政府、知事、市長、病院管理者、その他の官僚などが決定するという異常事態が、今回のパンデミックで発生した。なおその上に、NIAIDchou

長のA. FauciCDCWHOBill Gatesといった患者を診たこともない人々の決定に基づいている(注20、注21)。その決定は、今までにいろいろ議論してきたように、十分な根拠もない、どころか、有害な施策である。彼らは、WHOのパンデミックを鵜呑みにした上で、それが推奨するとする政策(ロックダウンなど)とワクチンを人々に強制した。この背景には、大製薬会社などの利益獲得商法が跋扈している。

 しかも、こうした公式宣言(ワクチンの有効性/安全性など)、公式政策などに反する意見を発表したり、医療を施す医師、科学者は、公式報道機関やSNSその他での発言を押さえ込まれたり、医師の免許の取上げなどの圧力がかけられている。それにもまして、問題なのは、正規の研究発表機関である学術誌が、公式発表に反する論文を、勝手に消去し始めたことである(注2022)。これらの問題は数多くあるが、いくつかを紹介しておく。

 アメリカメイン州のDr. Meryl Nassは、イヴェルメクチンの有効性を主張し、治療に使うなどした角で、州の医療組織から、免許を取り上げられ、精神科で神経検査を受けよと命令された(注20)。Dr. Wade HamiltonDr. Paul DosselinDr. James Thorpという医療者が、公式の施策やワクチンへの反論などにより、医療免許を停止された(注23)。カナダ政府(州政府も)は特にこうした施策が厳格で、多くの医師や大学教授)が、減給に処せられたり、地位を剥奪されている。大学生すらも、ワクチン非摂取、その他の理由で、大学のコースを取れなくなったり、校内から退去を命じられたしている(注24)。  

 

(4)報道関係での問題

 

報道機関にも、製薬企業/政府からの圧力、金銭贈与などが、横溢していることは事実である(注25)。金銭が送られている報道機関の例として、ABCCBSNBCFox NewsCNNNewsmaxWashington PostLos Angels Timesなどが挙げられている(注24)。E. ロビンソンというかっての記者は、こんなことを言っていた:「記者のほとんど誰でも金を受け取っていて、ワクチンに関して不都合なことには目を閉じて、報告しない。2021年には上層部からワクチンの負のことに関しては報道するなと言われた」(注25)。なお、この報告(注25)は、様々な局地的報道機関(新聞、TV)などへの具体的な金銭額も挙げている。

 

 

(注1http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202202251116055

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202204161813426

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202206161124144

(注2https://expose-news.com/2022/07/27/uk-gov-vaccinated-children-increased-mortality/

(注3)https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/andr.13209

https://expose-news.com/2022/08/07/pfizer-docs-official-data-covid-vaccines-causing-depopulation/

(注4) https://www.globalresearch.ca/three-young-doctors-die-unexpectedly-small-hospital-just-days-after-4th-covid-vax-mandate/5788097

(注5)https://www.globalresearch.ca/fourteen-young-canadian-doctors-die-after-getting-shot-normally-would-0-over-30-years/5789525

(注7https://www.censoredscience.com/2022-06-15-fully-vaccinated-children-suffer-multisystem-inflammatory-syndrome.html

(注8)https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S027869152200206X

(注9https://www.nature.com/articles/s41467-022-30895-3

(注10https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31022-9/fulltext

(注11https://expose-news.com/2022/07/18/germany-birth-rates-drop-dramatically-in-2022/ 

(注12https://igorchudov.substack.com/p/hungary-most-vaccinated-counties

(注13https://igorchudov.substack.com/p/swedens-birth-rate-dropping-precipitiously

(注14https://igorchudov.substack.com/p/californias-birth-rate-declined-64

(注15https://www.ris.gov.tw/app/en/2121?sn=22161405

(注16https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/andr.13209

(注17https://www.theepochtimes.com/the-latest-tragedy-sudden-adult-death-syndrome_4545014.html?utm_source=HT_article_free&utm_campaign=health-2022-06-22-ca&utm_medium=email&est=dcBuFai4BN9Fes9Dq61n7Z5EIULbliGLvPAwYvnGgBiQsXO24HbTL9sJH2I%3D

(注18https://worldcouncilforhealth.org/multimedia/uvc-jessica-rose/

(注19http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202111221351451http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202205130953035

(注20)https://expose-news.com/2022/05/19/unprecedented-attacks-on-doctors-and-experts/;

(注21https://surgicalneurologyint.com/surgicalint-articles/covid-update-what-is-the-truth/

(注22https://www.censoredscience.com/2022-08-23-bmj-health-research-fraudulent-until-proven-otherwise.htmlhttps://blogs.bmj.com/bmj/2021/07/05/time-to-assume-that-health-research-is-fraudulent-until-proved-otherwise/

(注23https://www.medicine.news/2022-05-16-3-doctors-suppressed-for-questioning-covid-vaccines.html

(注24https://www.globalresearch.ca/collapse-canadian-university-rise-church-covid/5785447

(注25https://healthimpactnews.com/2022/local-national-media-paid-millions-to-push-covid-19-vaccines/

 

8.19.2022

原発破壊=核の平和利用の危機

 

現在のウクライナ戦で、ここ数週間に起こったこと(注1)から想像するに、原発が破壊され、大規模な、非常に広範囲の放射能汚染が懸念される。ウクライナ東部にあるヨーロッパ最大といわれるザポリジア原発で、現在6基中3基が稼働中である。ロシアは、ウクライに入ってきてまもなく、この原発のある地域を支配し、原発は、ロシアの管理下で、ウクライナ従業員によって問題なく稼働している。ロシアが侵攻する際、ロシア側の攻撃で、原発に火災/爆発が起こったことはある。ただし、放射線漏洩などはなかった。なお、この地域の住民はロシア系が多いそうである。

 ウクライナそしてNATO側は、ロシアはそうした危険な場所に居を構えることによって、ウクライ側からの攻撃を躊躇させ、そこで、ウクライ攻撃への重要拠点にしていると非難してきた。しかし、現実は、ロシアがこの原発からウクライナ側に攻撃をしかけたことはまだない。攻撃を仕掛ければ、その仕返しがあること(危険)は分かっているのであろう。その原発へ、ここ2、3週間に数度の攻撃(ミサイルなど)が行われた (注1)。米国側やゼレンスキーは、この攻撃は、ロシアによると非難している。この主張には、とんでもない論理の矛盾、ウソがある。彼らは、この原発を、ロシアがウクライナ向けの攻撃地としていると主張しながら、その原発への射撃が、ロシアによると主張するようだが、どんな理屈からそんなことが言えるのだろうか。

 現在、米英/NATO側は、ロシアが(軍事的)核使用をチラつかせていると主張し、ロシアの悪巧みを強調している。これは、そうした情報をチラつかせて、自らがウクライに参戦すると第3次世界戦争にまで発展しかねないからと、米英/NATO/EU側は、ロシアへの自力による攻撃は控えて、ウクライナに大量の武器などを送り、ロシア脆弱化をウクライナにやらせている。現在のゼレンスキーはそれに乗せられて、自国民の犠牲などは顧みず、武力衝突を継続している。そのため、女子供の国外への避難は許しているが、男性の国外避難は禁止している。彼は、自分の意に反するものは、容赦無く排斥、虐待している。実際、政治活動(国会)では、自分の党(“民衆の僕”だそうである)以外は、全て禁止である。これが、米欧の主張しているウクライナ=民主主義 ロシア=全体主義の実情である。

 ゼレンスキーは、2019年の選挙で、圧倒的多数(75%)で当選したのである。なぜかと言えば、ウクライナ東部の問題の解決、ロシアとの対話、NATOへの不参加などを主張して、国民はそれを信じたから。この選挙での相手(ポロシェンコ)はNATO加盟を主張。しかし、当選後、ゼレンスキーは速やかに米英/NATOなどの傀儡になり、現在に至っている。この経過からしても、ウクライナ国民の多数は、ロシアとの対決を望んではいないことがわかる。ところが、ゼレンスキーに加えて、ロシア憎しの精神に貫かれているネオナチ的精神の戦闘好きの人々(アゾフ隊など)に象徴される、ナチ的

考えが現在のウクライナの政策決定の主体になってしまい、ネオナチ軍隊が政権側の軍事力の主体になってしまった。それは、米英側にとっては、非常に好都合なのである。

 国連もIAEAも、原発の周辺に非戦域を設け、IAEAなど、国際的監視の下におくべきと主張している。そして国連事務総長グテーレス氏が、ウクライナを訪れて、調整を試みている。ウクライナ側は、まずはロシアの原発からの撤退を前提としていて、議論は噛み合わないようである。

 最近の情報(注2)では、この原発側はいつでも、IAEAを受け入れると言っている。しかるに、欧米側(日本、オーストラリアなどを含む)も、ゼレンスキー同様、直ちに、ロシアにザポリジア原発から退去しろという決議をした(注3)。いや、ゼレンスキーは、この欧米側の主張を繰り返している。

 こうした側は、原発を問題にする以前に、この紛争を解決する努力をするべきだが、その動きは一向に見えない。どうも、国連も、欧米側の支配下にされてしまっているようである。米英はともかく、ザポリジア原発が破壊されたら、大変な被害を被るであろうEU側は、ロシア憎し/殲滅すべきという観念が支配してしまっていて、そんなことが起こりうる現在のウクライナ問題を解決するべく努力などは全然していない。EU市民は何を考えているのであろう。

 ウクライナも初期には、原発攻撃の危険性を意識していたようだが、最近の原発攻撃(先に述べたようにウクライナによるとしか考えられない)から判断するに、そうした危険性を無視する傾向も出てきたようである。原発を攻撃する姿勢を示し、恐怖を募らせ、ロシアを追い出そうとしているのであろう。今のところ、放射性物質放出にまでは至っていないが、放射線量測定機などが壊されたらしい。非常に危険な状態である。

 もちろん、米英/ウクライナ側は、ロシアは、この原発から直ちに退去せよと主張している。そうすれば、ウクライナ側は、今までやってきた仕方(学校、病院など、市民に危険が及ぶ可能性のある場所を軍事基地にする)で、原発を好都合な軍事基地に使う可能性がある。現在のウクライナ政権側のやり方(市民を盾にして攻撃をためらわせる)は、アムネステイーインターナショナルの調査で検証された(注4)。原発の場合は、単に攻撃を躊躇させるため。こうしたことを避けるために、ロシア側は、侵攻時に速やかにこの原発を支配下に置いたのであろう。侵攻直後のチェルノブイリ支配も、同様な目的であったろう。この場合も、電力源が断たれるなどして、非常に危険な時があったが、ロシア側が、チェルノブイリのすぐ北のベラルーシから電力を供給する手筈を整えて、危機を乗り切ったこともある。その後の事情は不明。チェルノブイリはキエフに近いので、ウクライナはその扱いに慎重を期していると思われる。

 原発は、核兵器ではないが、戦争においては、核兵器となる。通常の核兵器は、それを用いる側が、投下により、または核弾頭ミサイルのような形で相手側に打ち込み、大被害をもたらす。原発は、核の平和利用ということになっているが、戦時には、ミサイルなどの攻撃にさらされて、破壊されれば、原発と同様な被害(人的、環境上の)を及ぼすことになる。戦争までに至らなくとも、テロによって原発が破壊される可能性もある。しかも、原発内の放射性物質の量は、通常原発の数百倍以上である。現在世界中に450基ほどの(平和)原発があるが、いざ戦争となれば、核兵器になる。ですから、現在での「核兵器廃絶」条約は、「核廃絶」条約に拡大しなければならない。そして、なるべく早く速やかに、核物質を安全に処理する努力が、人類の緊急の課題である。筆者の核に関する著作の1冊目の副題は「原爆/原発は人類の過ち、全廃に向けて猶予は許されない」(「原爆と原発」(鹿砦社、2012))であった。

 

 

(注1)https://www.rt.com/news/560680-world-brink-nuclear-catastrophe-moscow/

(注2)https://www.rt.com/russia/560858-un-blocking-iaea-zaporozhye-inspection/

(注3)https://www.asahi.com/articles/ASQ8C72ZXQ8CUHBI02Z.html?iref=comtop_7_06

(注4)https://www.rt.com/russia/560333-amnesty-stand-by-report-ukraine/