(1)TBS報道(2月25日23:59)より
“北澤防衛大臣は、アメリカ軍普天間基地の移設問題にからみ、国民新党の下地国対委員長と「大体、方向性は一緒だ」と述べ、「キャンプ・シュワブ」陸上部への移設案を支持する考えを改めて示しました
「大体、方向性は一緒でありまして、この普天間の代替問題については、彼が『下地』(しもじ)じゃなくて、『下地』(したじ)を大体作っていただいて、その方向へ今進んでおります」(北澤俊美防衛相)
普天間基地の移設問題をめぐり、国民新党の下地国対委員長は、沖縄県内の米軍施設「キャンプ・シュワブ」の陸上部への移設と嘉手納基地への統合を軸として、15年後のアメリカ海兵隊撤退を目指す党の案を、政府の沖縄基地問題検討委員会に提出する方針です。北澤防衛大臣は25日夜、下地氏のパーティーで、「私が出演をするだけでも意味があると理解して欲しい」とした上で、基地問題で下地氏と頻繁にやりとりを重ねてきたことを明らかにしました。その上で基地の移設先については、「大体、方向性は一緒だ」と述べ、下地氏の案を支持する考えを改めて示しました。
一方、北澤大臣の発言について、社民党の福島党首は次のように述べて批判しました。「先日の沖縄県議会の決議を最重視すべきであって、沖縄県民の負担軽減や気持ちを大事にすべきだと思います」(社民党 福島党首)“
ということで、民主党なかんずくその防衛大臣が「下地」議員(自民党から国民新党に移籍)とグルになって普天間基地をキャンプ・シュワブに移設することに決めているようである。
(2)アメリカは普天間基地をグアムに移転−沖縄県内に代替施設不必要
アメリカ軍部は普天間基地をグアムに移設するべくすでに行動を開始している。これはすでに周知のこのなとなのだが、日本のメデイアは報道していない。ただ、最近朝日新聞(2月20日付け)だけが「(普天間の)代替施設は必要なの?」という記事によって紹介している。吉田健正氏は、米軍の報告書から「アンダーセン空軍基地(グアム)は、沖縄からの移転が提案されている航空機を受け入れるのに十分のスペースをもつ、国防総省の現存空港である」「空港機能に対する海兵隊の要件は、アンダーセン空軍基地の現存飛行場で対応できる」と引用している(a)。朝日新聞の記事では、「普天間のヘリ部隊は代替施設へ、航空管制はグアムへ」などという海兵隊側の報道に自衛隊の幹部が疑問を呈していることも含めている。すなわち「管制がいなくてはヘリは離着陸できない」と。
(3)それなのになぜ県内移設か
名護市長も市民も、大部分の沖縄県民も県内に新たな米軍施設を作ることには反対であるし、日本国民としても、さらに沖縄県民に苦痛を押し付けることには反対であろう。県外移設を標榜してきた民主党がなぜ(不必要な)県内移設にこだわるのであろうか。それは、(あ)アメリカの思惑(なるべく多くの施設を沖縄(日本)に保有)に譲歩することと、(い)施設を建設することによって儲けが期待できる側からの圧力に屈しつつあることであろう。第1項は、日本国民に有利に図るのが日本政府の役目であり、アメリカが独自の考えでグアム移転を決めたのに、彼らがさらに沖縄に施設を持っておきたいだろうなどと、または代替施設を提供しなければアメリカの怒りを買うだろうといったことを懸念しているのかもしれないが、日本の立場を十分に説明すべきである。
さて、第2項であるが、これに関連して、沖縄新報および目取氏のブロッグからのデータを紹介しておこう。2008年度沖縄防衛局発注工事の請負件数と請負額上位は以下の通りになっている。
1 仲本工業 2件 12億1400万円
2 大米建設 3件 8億9000万円
3 屋部土建 4件 7億8800万円
4 仲程土建 3件 6億 円
5 渡嘉敷組 2件 4億1100万円
下地議員のファミリー企業である大米建設が、沖縄防衛局発注工事の請負額ランキングで2位に入っている。沖縄に米軍が駐留していることは、下地議員にとってはファミリー企業の利益につながるわけだ。普天間基地の「移設」に関しても、県外・国外ではファミリー企業に利益はない。下地氏は、議員になる前は、この企業の副社長(兄が社長)であった(b)。
(a) http://www.alter-magazine.jp/backno/backno_72.html#08)
(b)目取真俊 http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/d092bfd07814879cd1d322d27c2a2eb7
落合栄一郎
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