米中は、現在トランプ氏の中国訪問で注目を集めていますが、この二つの大国には根本的な違いがあります。それが、現在の米中問題の根本にあります。
まず、米国は、まだ数世紀しか存在しない国ですが、中国は、30世紀ほどの歴史を持つ国です。米国は、16世紀に始まるヨーロッパの植民地政策の結果できた。軍事力によって原住民を排除して出来た国。そして現在でも、世界を制覇するには軍事に依存する方式になってしまっている。一方、中国は、現在の共産政党統治以前は、皇帝という人物が、民を治めていた。それは、ヨーロッパでの王室制度とそれによる民の支配と制度上は同じだが、支配の仕方は大分違っていたようである。
ヨーロッパでは、植民地などからの富に依存した王室は、民への配慮などはあまりなかった。ただ、王室のもつ経済(植民地からの略奪)余力により、ヨーロッパの文明(ルネッサンスからの)が維持されてきた。フランスでの革命が起こるまでは。そして、産業革命が起こると、こんどは、産業を起こし、それを保有する資本家たちによる社会構造ができ、金銭が支配する構造になった。現在では、特に軍需産業を所持し続けるために、軍事力による世界支配が根本思想のようである。その根本には植民地時代からの優生思想がある。西欧人こそ優秀。だから非西欧人からの略奪は当然のことと。それは、現在イスラエルによるガザ侵略、イラン侵略などの起因であるシオニズムに繋がる。しかし、こうした意識は現在の一般人にまで浸透してはいないでしょうが。
中国での皇帝の支配はどうであったのか。民を食わせることに成功した人間が王朝を築いたのだが、それが衰退すると、民は新たな英雄を求め、やがてまた新たな王朝ができる。これの繰り返しであった。できた王朝は、民をどう支配したのか。皇帝は民をなんとか飢えさせないようにしなければ、その地位が脅かされる。王朝の維持は、民への配慮が根本にある。王朝は、所属民や周辺地域も含めて、自分たちの文化の大きさを意識させて朝貢精神を植え付けていた。一方、庶民は、皇帝が変わるときの混乱を避けて周辺地域へ移住し、華僑として現地の経済覇権を握ろうという意識が高かった。これは、軍事力などは無関係。過去数世紀は、英国(そしてそれを引き継ぐ米国)の中国の植民地化の努力のもと、そしてやがてはそれを受けた日本による破壊工作に苦しめられてきた。
さて、こうした中国が大変換を遂げたのが、共産党による支配で、1949年の毛沢東による中華民国の設立である。皇帝という個人ではないが、共産党は精神的には皇帝的な意識で、中国発展を指導した。社会主義である。成立後、半世紀程は、世界大戦後の復興で大変であったが、21世紀からは、独自の国家進展を始めた。
実は、中国では、かなりの古代から、独自の技術を開発してきたのです。よく知られたのが、中国医療(東洋医療)ですが、そのほかにもさまざまな技術開発が行われてきました。火薬(そして花火)、羅針盤なども中国で発明された。
21世紀になると、中国政府は、軍事で他国を押さえ込むというような西欧のやり方はせず、経済的、技術的に他国を援助という方法で、他国を影響下に置くような方策を始めた(一帯一路として、win-winであるとしているが)。しかも、先端技術を急速に発展させ、他国での市場で優位に(価格面で特に)働いているケースが多くなった。こうした方策には、おそらく、古代からの中国皇帝の意識が反映しているのであろう。この意識は、中華民国なる国の名称にも表れている。
米国と中国の意識の差は、明らかである。米国は、力による優位の確保、一方、中国は、経済・技術面での優位を意識的に発展させようとしている。
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